[PR]
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
洞穴へ帰って
間もなく洞穴へ帰って来た子狐は、「お母ちゃん、お手々が冷たい、お手々がちんちんする」と言って、濡(ぬ)れて牡丹色(ぼたんいろ)になった両手を母さん狐の前にさしだしました。母さん狐は、その手に、は――っと息をふっかけて、ぬくとい母さんの手でやんわり包んでやりながら、「もうすぐ暖(あたたか)くなるよ、雪をさわると、すぐ暖くなるもんだよ」といいましたが、かあいい坊やの手に霜焼(しもやけ)ができてはかわいそうだから、夜になったら、町まで行って、坊(ぼう)やのお手々にあうような毛糸の手袋を買ってやろうと思いました。
PR